2014 08 21腰鉈


七寸 片刃の土佐の腰鉈を調達
忠親の銘が入っている。

刃物の街 堺の人間なのに他府県の鉈
地元の堺で昔に剣鉈を作ってもらったことがあったが残念なものが出来上がったのでそれ以来堺は包丁だけと思っている。(ほぼ全てお任せで依頼するとATS34の8寸両刃の鹿角ハンドルというものが出来た。もはやナイフ)
包丁は堺で間違いないが間違っても鉈を堺で求めてもだめだ。
運よく金物店に置いていてもそれは土佐ものであって堺ではない。
全国的にも鉈は土佐、関、武生、三条でほぼ占めているのではないか?勿論、岡山、長野、富山、秋田のごく一部に
残っているのも把握しているが残念な事に堺はあれだけ刃物屋があるにも関わらず鉈を作っていない。専門外だ。
そらそうで堺は包丁、鋏のみ。
そこで、土佐の青紙並幅7寸片刃
ごくごく普通の(安物ではない)まともな鉈と思う。
出荷時は例にもれず蛤刃になっている。
切れ味、バランス共に良くできている。
完全な実用品(実用に耐える本当の実用品)と言えよう。
価格も申し訳ないほど安価(鞘付きで一万切るくらい)不満はない。
剣鉈になると何故か倍以上の値になるのは不思議であるが腰鉈も同様に値段を上げても良いと思う。
安物を買う人はホムセで買うであろうし本物を求める人はこの先も鍛冶屋に作り続けて欲しいと願う。その為には存続出来る価格にしてもらって私は良いと思う。
職人の技が安売りされるべきではないと思う。

さてさてこの鉈であるが現状は上は3000番までで蛤刃で研いでいるが非常に切れる。
青紙という事で研ぎにくいのかと思ったがそんなことはなく特に気にならない。
価格は実用鉈という事で安価であるが価格以上の価値があると思う。
間伐後の枝払いや搬出ルートの確保の為に使用しているが30mm前後の枝も気持ちよく一発。
それ以上は数度打ち込めば綺麗に切れる。
至って不足のない良い仕事をしている鉈と思う。
バランスもよい。
でも鞘はベルトが破損しやすいので改造が必要