2014,10,22 泊鉈 鞘 自作 試作品 色々

鉈の鞘(鉈かご)は消耗品の為に今後の事を考えて何種類かをそろえてみました。

はじめに、漆の皮で編んだ鉈カゴ
もう入手を諦めていましたが幸いにも福井の刃物店で在庫があり入手
価格は申し訳ないほど安かったけど作りは簡素。強度も踏めばバリって割れそう。
購入時は素地のままであったがカシューでおおよそ10数回塗り重ねておいた。
このままでも使えるが入口の補強の木を自作で取り付けて使うほうがいいでしょう。
今後、こういったものは入手不可能と思うので将来のストック用として置いておこう。


次は自作の木鞘 アガチス材 板厚8mm 重量330g
(未塗装、仮組の状態)
鞘が無いのでまずは試作
檜で作りたかったのですがホームセンターに丁度いい厚みがなく8mmのアガチス板と
8mmの角材を組み合わせて試作
(刃厚は4mmほどで6mmの角材でもいけるかなと思っていたのですがトンビ部分が
予想外に厚みがあることが分かり6mmではキツキツでNGした。)
まずはイメージをつかみたい為に作ってみたのですがいかんせんこれでは重い。
アガチス材は頑丈だが重い。330g程もある。
幅はトンビ部分のからみもありこれ以上小さく出来ない。
外観は大きさも相まってまるでまな板。
又、鉈の遊びも結構多くカタカタ、、、、。
恐らく使っているうちにこの衝撃の積み重ねで鞘が破損するのは容易に想像できる。
しかし、遊びがないと今度は現場でイライラするだけ。
ある程度ゆったりしているのがいいでしょう。
しかし泊鉈はその形状から鞘に悩む
アゴ部の幅の少なさ故に抜け止めのベルトも付けると多分切れる
しかし一旦山に入ると抜け止めは不要なので別段作る必要もない。
あとはどうやってベルトにぶら下げるか?
革の鞘バンドはこの大きさは市販はなく自作になる。
紐という簡単な方法もあるが安全帯に紐でぶら下げるのもなんだかな〜。

サルナシとホウノキで作った鞘を自分でアレンジしてみようかな?と無茶な事も考えてます。
鉈籠は雰囲気もあって使いやすくてよさそうなのですが作っているところが無いので
探すなら華道のアンティークを扱っているところ(昔の鉈籠に花を生けるらしい)などをこまめに
探すか骨董市を全国行脚するかetc
ヤマブドウ等の蔓をどこかで入手して自作するか、、、、。

真田紐はその辺で売ってるようなものではないので当面我慢
替わりに学生の頃に山で使っていたテープスリングが実家の押入れに眠っていた
平織りで強度は抜群 幅も20mmちょいと真田紐の替わりにぴったり

木鞘、カシュー仕上げ ようやく完成
幅120mmもありボテッとはしてるが角を極力落とし小さく見えるようにしました。
割れやすい上下二カ所をタコ糸巻きで補強済み


こいつも自作のPPバンド仕様の鉈かご 
梱包用のPPバンドで編んでみました。
強度を出すために2本重ねて編んでみました。
編む際に端切れも編んでいくために結局は3重、4重の構造になっています。
なのでかなり頑丈。
これの難点は鉈の渋さに対してやたらポップな色調に仕上がってしまう事。
中でトンビ部分が抜く際に引っかかりやすいこと。
一番の問題はチープに見えてしまうのでやっぱりこれは鋏などの小物入れにとどめておこう。
※黒色のPPバンドを使うとただでさえ紫外線に弱いのに余計に劣化を早めて
しまう。黒、黄、白、青のたしか4色がホームセンターにありました。
しかしこれらの色では何だかやっぱりしらける、、、、、。
そこであれこれググってみたところ手芸用PPバンドというものが売られている。
色は19色あり、ベージュやこげ茶もあるではないか?
茶系の落ち着いた色で作ればさしづめ現代版の鉈篭。
しかしいずれは本物の蔓で、、、、という方には気休めかもしれませんが。

と ここまでは単に趣味的に作ったもので実用的では無い。
実際の現場では以下の床革製の袋を使っている。

泊鉈130匁に合う鞘を自作したり色々と試したところ
落ち着くところは市販のこれが1番使い勝手がいい。
しかも2000円もしない
1日に100回近く抜き差しするにはこういったラフな袋が1番。
抜け止めは無いがそんなもの作業中に必要全く無い。
付いててもあっという間に切ってしまう。
ふくろ倶楽部の鉈袋
溶接用の革手と同じようなゴツく厚い革で実用本位で頑丈
要所にリベット打ちしてるのでそうそう破れる事はなさそう
何よりデカくなりがちな泊鉈の鞘ですがこれなら体に沿って山での引っかかりも少なそう。
大きさは130匁の大きさで偶然にもぴったり。
出来るだけ腰回りはコンパクトに出っ張りを抑えたい、そういう要望にはぴったりな商品ではなかろうか?
事実、私は常にこれに入れています。
何の不満もない。
皮が適度に滑り止め効果もはたし、そうそう落ちる事もない。
寸法は内寸で
内側ポケットは255mm(深さ)×125mm(幅)
外側ポケットは180mm×(深さ)115(最小幅)〜145mm(最大幅)
外側ポケットは剪定鋏などを入れておくのもよさそう。
一点だけ気になるところは防水性。
これだけは仕方が無いが特に困らない。


泊鉈 折り鋸との二丁差し
(インナーは発泡塩ビで自作)

フォーレックスのインナーがかなり割れて来たので檜板で作ったインナーと交換
口金の差し込み口をタイトに作っているので押し込めば逆さにしても抜けない。
しかし実際の使用ではこういった抜け止めはうっとうしくてしょうがない。
無くてもこれまで困る事は無かったが1回試しにこのままで行く。
多分次の日にはヤスリでガバガバにすると思うが‥‥
→案の定ヤスリで加工

下はこれまで使っていたフォーレックス製
入り口あたりがバキバキに割れてしまっている。
フォーレックスはホームセンターに売っており入手はしやすいが割れやすい。

→インナーを入れると鉈の収まりは良いが太ももへの干渉が時に鬱陶しくなる。
袋が破れなきゃ良いのでもっと簡易的な物に改良予定。


◯鉈カゴ 二丁差し

いつかはこういった昔ながらのものをと考えていて暇な時にちょこちょこ細工しては使えそうな形にしていた。
しかし正直なところこれも実用的では無い。
やっぱり邪魔になる。
特に鉈の柄がどうしても体から少し離れた所にニョキっと位置する形になり腕と干渉しすぎる。
後ろの腰あたりには腰袋があるので両サイドしか空いていない。
悩みどころであるが残念ながらこの鉈カゴは実戦向きでは無い。


鉈と鋸の二丁差し仕様(カゴ部以外は自作)

差込口は角材から削り出したものを穴あけ加工
作業用ベルトをビス留めしベルト通しとしている。
写真では分からないが差込口の木材とベルトの内側をネジで固定。
そうしないと鉈カゴがプラーンと外側に垂れてしまいます。
はじめから二丁差し用の鞘を買えばいいのですがなかなかこれといった既製品が無いのも悩みどころ。

ちなみにこれは通常の腰鉈用です。(並幅7寸)
泊鉈を二丁差しにするには開口部の寸法が不足しており今回はとりあえず腰鉈用で製作