2017.11.11. 背負式刈払機 丸山MBS326.

丸山 背負式刈払機 MBS326
排気量 32cc
年式不明(中古)2005〜2008年頃販売のものらしい
ということは10年前後落ち


現行はMBS328なのでこれは中古品
(どちらも同じエンジンのLE320の32cc そう思えば結構最近までこのエンジン使っていたんだなと思う)

エンジン出力は海外の資料によると同じLE320エンジンは0.92kwとある。
三菱TB33 TLE33は0.97kw
ゼノアの30ccも似たような数値だと思う。
だいたい各社30ccクラスは1kwを僅かに切る程度の出力のようだ


中古品で買ったもののやっぱりすんなりとは動かない。
動作確認済みらしいが実際には絶不調品
動作確認といってもエンジンがかかるというだけ。
試運転で中速から高速ではエンジンが止まりそうになる程。
多分に排気のカーボンつまりによる排気抜け異常と思われる。
中速を多用したのかオイル過多かそんなとこだろう。
こりゃ掃除が要るな‥‥。

ところでこの刈払機だがエアクリのカバーやチョークレバーが貧弱過ぎる。
はめ込み式のカバーなんぞどこかに打てば飛んでいきそう。
チョークレバーなんてリコイルロープ引いている最中に動いてしまう。
レバーを抑えながらリコイルを引っ張るという情け無い事をしている。
おまけにショルダーベルトも金具が原因で背負うたんびにベルトが外れる始末。
定価も結構するはずなんだけどちょっと作りが甘い。
それとマジカルスタートというスターターがなんかかったるい。
この手のアシスト付きははじめての為にこれが正常かどうか分からない。
引くと腑抜けな感触が度々ありイマイチ。
スターターの故障か?
→結局スプリング交換で問題無し

その他は特に過不足無いと思う。
まあでも安く入手したので贅沢は言えない。
パワーは大排気量だけあり余裕がある。
26ccクラスの2割ましくらいと思う。

ポテンシャルは高いのでうまく飼いならすしか無い。
ストレスはだいぶん少ない。
小排気量でも全開すればいいのだがストレスが溜まる。
32ccであれば草に負けて止まるというのは無くなっただけでも効率は上がっている。
冬場のセイタカアワダチソウでも掃除機をかけるように切っていく。
またスロットルレバーが回転数固定が出来るタイプで竿の操作に集中出来る点もいい。
これがトリガー式とかだとどうだか。
レバーを握り続けなければならないのは結構苦痛だろうと予想出来る。
安全面から現行他社品は大概このかったるいトリガー式になっている。


安定板がなかったので流行りのジズライザーを装着。
特に何か感じた点は無く(傾斜地ばかりだからか?)
高くも無いのでまあいっか。
それよりヘキサゴンをつけるべきだったかな?
大排気量でもかったいツルは当然巻き付く。



背負式は今回初めてだけどこの吊り紐は必需品だと思う。
竿は軽いが斜面で上げ下げするとやっぱり腕が疲れる。(かなり)
短時間でも腕がもたない。
市販も探せばあるだろうけど今回は急ぎの為に自作。
ゴムロープとカラビナを買ってきて長さ調整の自在金具を自作。
鉄板に穴あけ加工してズレずに調整もしやすくしている。
サンダーとインパクトのドリルとヤスリがあればすぐに作れる。
まあまあの出来にひと安心。
ゴムなので上げる動作がだいぶん楽になる。
でも買うのと材料費はそんなに変わらない事も後に知る‥‥。
右側ショルダーベルトに付けているので右肩は妙に疲れるが‥。
しかしいつも思うがこの手の背負式は背負のフレーム形状がだいたい一緒。
何が問題かって?
それは背中に当たる面の長さが短すぎるという事とショルダーベルトの取付位置が低すぎるという点。
これだと出来の悪すぎるリュックと同じく荷重が後ろに引っ張られるようになり必要以上に肩がこる事になる。
要はザックでいうところの背面長が全く足らないという問題。
何故決まってこういうおにぎりのような小さいフレームなのだろう。
ひょっとすると軽トラの荷台に載せた時フレームが大きいと幌がかけにくいとか収まりが悪いとかそういうのもあるんじゃないか?と思う。
実際荷台の1箇所だけ飛び出てるのはあんまり具合が悪い。
大排気量の一部(カーツやスチール等)には背面の長いものがある。
単に重量だけで比較するとしんどい思いをします。
同じ重量でもこの背面の長さ=ベルトの取り付け位置の違いで体感重量が全く違う事をメーカー側が分かってないのだろうか?
いや嵩張る事を嫌ってあえてこの形なのか?


と考えてたら突然ショルダーベルトが切れた。
しかも二ヶ所も。もうボロボロ。
ひとまず交換せねば とネットで探すもなかなか無い。背負式のベルトが無い。
悩んだ挙句にひらめいたのが作業着屋で売ってる安全帯のサスペンダー。
形状も探せば似たようなものがあるではないか。
フック付きで背中側はベルト1本のものが。
KH やSK11でも使えそうなのがあるがSK11のものがそのまま使えそうな雰囲気。
価格は3000円切る程度。
刈払機メーカーのはじめに付いてるものはあんまりにも貧弱過ぎるのであえて刈払機メーカー純正品は使いたく無い。

これがSK11のサスペンダー(左)
背中のベルト幅が元より1cm細いがそれ以外は大丈夫そう。
ただ1点竿の吊りゴムを取り付ける箇所が無いので自分でステッチャーを使って縫い物をしなくてはいけない。
元のベルトよりかはクッションはマシだがもうちょっと頑丈さが欲しい。
普通にゼノアや共立 新ダイワのいずれも形状が同じ為に取り寄せても良かったかな??
もしくはカメラバックメーカーのエツミの背負ベルトも使えると思う。

◯試運転その後
その後町内の草刈りがあったので本番投入したところ痛恨の不調が
開始30分は問題なかったがしばらくするとエンスト。
その後動かない状態に。
まだ修理が完成していなかった。
幸い予備の刈払機でその日はやり過ごしたけどこの原因がしばらくわからなかった。
タンクの弁も問題無い。
排気も問題ないとしてキャブのダイヤフラムを交換。
バラしてみると確かにゴムが劣化している。
なんというか伸びたようなたるみもある。
トラブル時の定番箇所だけにこれで直ると信じてホムセでパーツ購入。
こんなマニアックなパーツがホムセにあるところをみると結構な消耗品なんだろうなと思う。
ちなみにこのワルボロキャブはWYKという型式。
ついでにプラグも交換。(BPM6A or BPM6Y)

しかし期待も虚しく中速から高速にかけてやっぱりエンストする。
こうなったら燃料調整か?と あまり触りたくない燃調ネジをいじる。
すると今まで絶不調だったのが嘘のように回復した。
締め付けてから1回転と3/4ほど戻したところでしばらく様子を見る。
逆に緩め過ぎるとどうなるのか気になるが壊しても嫌なのでとりあえずこれでそっとしておく事にした。
空気量が多くなるのか燃料が濃くなるのかまた調べておこう。

あとは燃料フィルターを交換すればほぼ主要な消耗パーツは交換した事になる。

◯燃料フィルター交換


普通の汚れ具合と思う。

吸排気系はリフレッシュしたのであとは燃料供給のみと言う事でフィルターを交換
針金で引っ張り出すがホースがギリギリ入り口に来るくらいなので油断するとすぐ中に引っ込んでしまう。
古い方は確かに汚れている。
酷くは無いが薄汚れた感じ。
ホムセで買ってきた新品に交換。

◯リコイル スターター交換
引っ張れど何の感触も無いというのが頻発しておりパーツが磨耗しているのが原因。
その後はクランクシャフト側の爪のような部品が破損。
何と言うのか分からんがバネで開閉する樹脂パーツ。
ものすごくヤワな作りだったがまあとにかくクランクを回せさえすればいいのだからと素直に交換。
リコイル側と噛み合うパーツなのだが良くこれで今までもっていたもんだと言うほど貧相。


○フレキシブルパイプ破損
これは痛恨の痛みだった。
フレキシャフトへのグリスアップは十分だったが思わぬ落とし穴にはまった。
フレキパイプの脱着は差込口のピンの上げ下げで容易に出来るがそこが枝に引っかかり気付かないうちにフレキパイプが抜けかかった状態で使っていた。
シャフトの先がかろうじてささっている状態でしばらく使ってしまいとうとう抜けた。
単なる抜けだろうとよく見ずにシャフトを入れ直しパイプを装着。
結論から言うとシャフトが曲がっているのを気付かずにパイプを装着した為に発熱 パイプ破損となった。
そら背中に目が無いので気付くはずがない。
修理費2万円が吹っ飛ぶ。
抜けない様にピンをテープか何かで固定すべきだった。
そんなに頻繁に触る所でも無いのでボルト止めでいいんじゃないか?と思う。
枝に引っかかって抜けるリスクよりボルト止めの方が余程いい。

○フレキシャフト交換2回目
だいたい毎年このシャフトはネジ切れてしまう。
特に2枚刃を使用するとこの傾向が強い。
単に使い方 使う場所の問題でここはしょうがないと思う。
普通のチップソーならこうはならない。

○ギアケース交換
とうとうというかいきなり来た。
突然エンジンからの動力がギアケースでカリカリいって空回り。
Amazonで汎用品を7千程で購入し即交換。
純正品だと安物の刈払機が1台買えてしまう。
年間200h以上使ってると3年目でお釈迦になった。
これも使い方と場所の問題で普通の畑の畦草なら壊れることも稀であろう。

○教訓
現場でトラブル発生すると予備機でもない限り帰らざるを得なくなるので予備部品としてダイヤフラム一式とフレキシャフトと出来ればギアケースを軽トラに常備してるとロスが無い。なんせ家から片道1時間かかる現場なんで少々の事では戻れない。

●3年程使用しての故障箇所の総括(ダイヤフラムなどの消耗品以外)

使用頻度は年間約200時間(タンク100回分くらい)
・フレキシャフト2回交換
・フレキパイプ1回交換
・リコイルスターター2回交換
・クリーナーカバー紛失1回
・ギアケース1回交換
・本体取付の防振ゴム2回 (枝に引っ掛かり千切れる)
といったところ。
幸いエンジンは故障知らず。
殆どもう一台買えるくらいの出費。

丸山の特徴なのかどうかは分からないがリコイル周りやエアクリの作りが貧弱。
特にリコイルは内部を見ると樹脂部品で各部品がかなり貧弱。
こういうエンジン以外の細かな部品がプロ用としてはどうか?というものが多いように思う。
使えなくは無いが心もとないという印象。
とはいえ 全体的に見ると他メーカーも大して変わらないのかもしれない。
というのも全部品を自社で作ってるなどあるはずも無くエンジンは内製としてその他外注部品を集めて組み立てたようなものだからだいたい各社似たような感じになる。


多分最後の修理だと思うけどリコイルスターターのスプリングとカバーが破損した為にアッセンブリー交換する為に農協に交換を依頼したんだがパーツが製造中止で無く他に手が無いとの事。
???と色々思う事がある。
こちらは合うので有れば何でもいいという指示を出しているが型番が違えば合わないという事で結局引き上げてきた。
現行品のmbs328のがあるじゃないの?
ましてや専用リコイルなんてあるわけないじゃないか?
複数機種で共用しているのが常識で違いはシールだけとかグリップの違いとかそんなとこ。
メーカーの対応がお粗末過ぎるので自分で中古部品を調達する事にした。
所詮は動噴メーカー。ついでの商売すると結局こんなやる気のないバイト君のようなメーカー対応になってしまう。
もう二度と丸山の刈払機は買わない。
1週間も無駄に時間を費やしてしまった。
このクソ忙しい草刈り真っ盛りの時期に!!

2021.10. とうとうお釈迦に

色々トラブル続きでなんとか直しては使ってきたがとうとうエンジンがお釈迦になった。
具体的にはピストンリングの一部が欠けてシリンダーがガッツリ傷だらけになり終了した。
さすがにこうなっては直してまで使い続ける気にはなれないのでスクラップ行きとなった。
中古で買って丸4年 結構ハードに使った方だけども耐久性はこんなものなのかな?
(ちなみにオイルは普通の¥1,000ちょいのものを使用)
今思えば安物オイルが原因だったのかもしれない。



丸山の刈払機は他のメーカー品と比べると作りはというとイマイチ残念な感じに思えた。(最近のは知らないが)
BIG Mのシリーズとどう違うのかよく分からないがあまりいい印象が無い。
ホムセ仕様とは別物とあるが実際あんまり変わらない気が‥。
他メーカーのようにはっきりくっきり差別化してもらわないと価格差に見合わない。
農家レベルで管理されたところを普通に使う分には問題ないと思うが耕作放棄地を開墾するとか年に一回程度しか刈れないジャングル化した場所が多いとかなると細々したトラブルが出てくる。
機種にもよるがハードな使い方には心もとないとは思います。
部分的に見れば魅力的なところもあるんだけどもね。
例えば重量 排気量 だけ見ると問題ないんだけども見えない細かいところが、、、って言う感じ。

機械物は細かいパーツの集合体なんだからどこかがおかしくなれば全体として機能しなくなる。
いかに故障リスクを避け作業を継続出来るかと考えるとやっぱり他メーカーになってしまう。
ちゃんとポイントを押さえた使い方を分かっていれば丸山もいい武器にはなる。

メリットは農協で修理が問題なく出来る事。
排気量についてだけども各社26ccクラスまではだいたい足並みを揃えた表記だがそれ以上となるとかなり大雑把。
28ccと30cc 32cc 33cc 34cc と排気量が大きくなれば出力がその分差があるのかというと実際には殆ど無かったりする。大体どれも1kwも出ていなかったりする。(一部例外はあるが)
なのでこっちの方が少し排気量が多いからその分高出力か?というとそうでは無い事が多い。
数ccの前後は関係無く実質30ccクラスという一括りで見るのが正しい。


最後に

中古の刈払機はやっぱりやめた方がいい。
刈払機なんかシーズンになるとフル稼働する為にトラブルが起きるのが1番怖い。
段取りが大きく狂ってしまう。
ギアケースやシャフトなんぞ普通に使っていても経年劣化もあるしダメになる時はいきなりくる。
それだけで数万飛ぶ事を考えると安めの新品を買う方がよほどいい。勿論予算が有ればプロ機の新品に越したことはないが。中古のプロ機はだいたい酷使された後に中古に回ってくるがその頃には製品も年数がだいぶんたっておりそこから先の部品の入手も難しくなってくる。そうなるとプロ機と言え旨みが無くなってくる。
部品が入手出来ないようなものに何も頼れない。
つまりは美味しい賞味期限は過ぎたものと言える。
中古買うなら最低限現行品で無いと修理する頃には部品の入手が難しくなっている可能性が高い。教訓になった。

でも何だかんだ言ってもいまだに丸山に未練があったりする。
2022年時点で36ccの背負が出ている。
操作棹24mmで8.6kgの許容できる重さ。
MBS3610とか言うのだけどもエンジンは1.4kwの出力
エアクリは四角のスポンジでスロットルはホムセのbigm仕様。
気になる機種でもあるが積極的に買おうという魅力が少ない。
重量と出力だけは魅力的。
ってまたカタログ仕様に釣られてる‥‥
1.4kwってほんまかいな?大盛りに盛ってないか?
どこかの工業試験場で出力評価出来るなら一回計測してみたい。