2014,12,1 剪定鋏 比較 アルスV8pro 岡恒 200mmmm

剪定鋏の比較として、まず超がつくほどド定番の岡恒200mmと最近入手したアルスV8pro
どちらもサイズは200mm
岡恒は市場で購入した箱入りのタイプ。

私は庭師でも無いし細かい作業はない。
ガンガン切って切って切りまくっている。
鋏を入れる空間も空いているところが殆どの為に鋏の形状による入れやすさとかは気にしない。
枝をどれだけ切ってなんぼの仕事の為に繊細さ等はありません。
鋏に求めるのはとにかく
①握りやすい
②手の負担が少ない
③頑丈
④少々ヤニが付いてもガンガン切れる
⑤紐も気にせずガンガン切れる
⑥刃もちが良い
等など

従って、以下の感想はあくまで自分の用途での感想です。

握った感触は文句なしに断然アルスV8proに軍配が上がる。
①岡恒のグリップはビニール巻であるが硬質のビニールで弾力はない為に相対的に滑りやすい。
(ママチャリのグリップのあのカチカチビニール感と同じ)
対してアルスは弾力があり滑り止め効果大。
②また岡恒は少し親指の所に段差はあるが小さく手がずれやすい。
対してアルスは段差がかなり大きい為にズレることは無い。
③グリップ形状に関しては岡恒よりもアルスの方が曲がりが強く指が自然に曲げやすい。
岡恒は古典的な握り心地といったところ。
ここまでは形状だけの比較であるが、この点だけではアルスの圧勝と言える。

バネは岡恒の方が強い。比べるとだいぶん違う。
ヤニが付くとアルスは開きにくくなることがあったが岡恒はそういう事がなかった点で、このバネの強さも関係していると推測しています。
硬すぎると手の負担が増えるし柔らかすぎるとヤニに負けて開きにくくなる。
許容できるバネレートの中で上限いっぱいが岡恒、アルスは下限いっぱいだと思う。
感触は岡恒はガシガシ切る感じでアルスはシットリ。
又、すり合わせの初期状態が岡恒はゆとりを持っている。これも一因。
本来、メーカー出荷時の状態ではどこもゆとりの無い状態で店頭に並んでいるケースが多いですが、親切な専門店であれば入荷後に再調整したうえで店頭に並べるというところもあるために購入するところにもよる。
岡恒は初期設定がゆとりある為に恐らくどこで買っても具合が良い→評判が良いという図式なのかな?という想像をしてしまう。


今週末から実戦投入して切り心地に関しての評価をして行こうと思います。

用途は主にサカキ、ヒサカキ高野槇の枝採取です。ヤニはかなり多いです。特に高野槇は1日で全体が真っ黒に‥‥(鋏にとっては嫌な使われ方かも)
毎日朝から晩まで使ってます。

何故、岡恒が定番なのか?入手しやすいから、皆が使っているから、師匠が使っているから等色々ありますが
私は思い入れは一切ないので客観的にその理由をこれから見ていこうと思います。

◯使用後の感想
やっぱり岡垣は握りにくい。手が前になりやすい。切れ味は定評通り。昔の人にしてみれば岡垣でも随分と握りやすいと思うのですが私のような最近のものにとってアルスの握り心地は最高で手放せない。
でも師匠の前では岡垣を使わないと気を損ねそうなのでアルスは一人で行くときだけにします。
しかし、岡恒のよさはタフさにあります。
少々乱暴に扱ってもびくともしない。
ヤニによって開きにくくなるという事も比較的少ない。(殆ど同じ使用上で使用したがアルスは1日のうち数回動き
にくくなったが岡恒は問題なし。この差は大きく岡恒がタフであると言われる所以だろうと思う)
アルス、岡恒それぞれ捨てがたい素晴らしい特徴がある。
相棒に選ぶのはどちらか?悩むところである。
第三候補としては飛庄SR-1か。今年はじっくり仕事の相棒を選んでみようと思う。

⚫️2015.3.8追記
岡垣とアルスを同条件で長期比較した結果
なんだかんだで岡垣が良かった。
1番はヤニによる刃の開きへの影響の少なさ。
毎回クリーナーで落としCRCを吹き付けているがそれでもやっぱりヤニはこびり付いてくる。
片手がふさがっている状態でこうなるのはホントにストレス。
やっとたぐり寄せた枝を再度手放しハサミをまず開かない事にはどうにもならない。
噛んだ状態の固着の強さ度合いもアルスが強い。
また発生頻度もアルスの方がかなり多い。
現場では岡垣が圧倒的にストレスが少ない。
握りにくさの問題はあるがそれを差し引いても良いと思う。
なので最近は現場では岡垣で帰ってから作業場ではアルスというのに落ち着いた。
(追加 現在はアルスは引退 作業場では飛庄 山では岡恒に落ち着いている。)


アルスで1点気になるのはケースに入れる際に引っかかりやすいという点。
グリップの滑り止めが弾力がある為に手は滑り難いがそれが仇となって革に引っかかりやすい。たまたま相性の悪いケースを買ってしまったというのもありますが多分筒型なら問題無いと思います。
多少厚みに余裕があるケースでも突っ込む際は斜めに突っ込む事が多いので丁度グリップの滑り止めの段差とケース入口が引っかかりグニャってケース側が潰れて入っていく感じ。おそらくケースはすぐにこの部分がボロボロになる。既に数回の使用でこの部分がヘロヘロになってきた。アルスには専用のケースがあるようだがぱっと見市販の物と変わらない。やっぱり筒型にしようか‥‥

そこで筒型ケースの登場
幅広タイプでそのままではゴソゴソで走った際に落ちてしまう
そこで両サイドを2/3程ステッチャーで縫って幅を縮めた。
入口側は縫って無いので(下穴はあけたけど入口まで縫うとキツキツで止めた)本来の余裕のある幅を生かしている
幅というよりも厚みがアルスの場合は必要
鋏の厚みはさほどでもないがグリップのゴムの引っかかりを防ぐにはケースの厚みを増やすしかない。
でもゴソゴソはダメなので奥へ行くほどフィットするようにした。
水に漬けたあと鋏を入れかたちを付ける。
乾けば今度はワックスを塗り撥水加工
ワックス塗りを3度行い定着させる
これで完成
本来ならば形状を保持する薬剤を使用するのであるが面倒なのでパス
筒型は入口が山状にあいているのでアルスには向いている。
これが通常の形状なら四角形なので相性が悪い。
引っかかりなくストレスフリーにするにはこれがベストと考えている。