2013,5,8 登山に使えるカメラザックについての考察1

以下は個人的な見解で必ずしも一般的な意見とは合致しないことがある事をご了承ください。
又、ミラーレスなど軽量なシステムを組まれている方にもあまり参考になりません。
フルサイズ一眼又はそれ以上の(中判など)システムで挑もうとしている方向けの個人的感想です。
登山目的のカメラザックについてかれこれ15年以上探し続けてきましたがそろそろ諦めます。
はじめに現在(2013,5,8現在→2014,1,10に更新)市販されているもので登山に使用できるまともなザックは存在しないと考えます。
これまで試したメーカーは
○ムダ(山岳撮影の定番国産メーカー)
エラム(登山用を売りにするMADE IN KOREA)
○t DAX (同じく登山用を売りにするMADE IN JAPAN)
〇ォックスファイヤー(フィッシングウエアが主なブランド)
〇he 〇orth Face (だれもが知ってるアウトドアウエアブランド)
〇んべる(山ガール、山ボーイ?、にわか中高年登山者ご用達ブランド)
いずれも登山用途のカメラザックとして紹介されてます
何故登山用として販売されているこれらの製品が使えないのか?
登山用ザックと比べカメラザックは各種ハーネス類の剛性がなく、調整範囲も少ない
上に体にフィットしない形状であることからカメラという重量物を入れたザック
重量を腰で担ぐことが出来ずに肩への負担が増大し苦痛を強いられる為。
感じとしては3〜4万以上の登山用ザックに対する安物量販店売り場の1万以下のなんちゃってザックの感触に近い。(山をやらない方にはわかりにくい表現ですいません)
装備重量が軽く20kgを超える為に貧弱なハーネス、フレームでは腰で支えられずに肩にほとんどの荷重がかかることになります。
これでは肩がすぐに悲鳴を上げることになり撮影どころではなくなってしまう。
また、背面長が十分な長さがなく、調整出来ないものが殆ど。
ついでにショルダーベルトの引き上げる支点が下すぎる。(これはフレーム長が不足していることに起因する)
国内で流通している各種カメラザックを検証した結果、上記理由により使用できないと判断。
世の中には登山用の大型ザックがそうであるように十分な剛性と調整幅をもった登山用ザックがあるのになぜ「カメラザック」となると貧弱になるのか理解に苦しむ。
本来であれば登山用ザックよりも容量に対しての重量がより重くなりバランスも悪くなるためにそれらハーネス類は慎重な設計にならないといけないはずなのに。
市販されているカメラザックは姿かっこはそれなりにいい線をいっているが軽量化の為かコストの為かとにかく
すべてにおいてハーネス(ベルト類)が貧弱。
はたしてメーカー側は本当にそのザックにカメラを詰め、三脚を固定し登山装備を
詰めた重量級になるザックを担いで山に登ったことがあるのだろうか?
でなければああいう設計になるはずがない。
いや十分テストを行った上での製品化だというのならばよほどの無頓着なテスターを雇ってしまったと悔やむべきである。
登山用ザックの背負い心地を知らない中高年カメラマンならば騙せるであろうが、、、、。しかし、売り文句に「長年にわたる登山用ザックのノウハウを、、、とか長年山岳カメラマンをやってきた自分の経験を生かし、、、、とかあるところを見ると余計にがっかりする。
○NFのものは試していないが恐らく通常の登山用ザックと比べベルト類が簡略化されていると思われる。昔のキスリングでザック肩になって以来、この手の「肩でザックを担ぐ」という原始人的発想を見る度にむかっ腹が立つ。
試しに○ドバシあたりで実際に「カメラザック」のハーネス(特にヒップベルト)と背面長を確認してほしい
明らかに貧弱なヒップベルトと調整すら出来ない背面長(調整出来ても短い)に気付くはずである。
そしてその足で出来れば登山用品店で同じような容量の「登山用ザック」を見て触って欲しい。
明らかに違う点に気付くはずである。
売店の方もメーカーの売り文句だけを強調し根本的な欠点を勿論言わない。(多分分からないという方が正しい)
そして売り文句を真に受けた正直な者が結果的に散財することとなる。
少なくとも登山での撮影ならば登山用としてのザックの機能を果たさなくてはいけないのであってそれが出来ないのであれば正直に言うべきである。
取説には「これは登山口近辺でしか使えません、あとは気合と根性で我慢して下さい」と書くべき。
店舗に現物があればまだ幸いでほとんどはネットで見て購入というパターンであろう。
宣伝文句を鵜呑みにして買うにはあまりにもリスキーで買ってみたものの次回からはお蔵入りするケースが多いと思われる。


雑誌や広告に騙されてはいけない。愛用のザックとして宣伝している輩はその罪深さを知るべきである。
心にもないことを言うべきで無い。
色んなところで職業写真家やなんかがこういったザックを推奨しているがお前ら!!!こらっ!!!!!と言いたくなる。
賢明な諸氏は間違っても買うことはないと思うが、メーカー様見ていたら頼んます、一度でいいからまともなザックを作って下さい。
確かにカメラザックなんてものは数が売れないだろうから力を入れられないのはよく分かりますが中途半端なものを
申し訳程度に出すくらいなら出さないほうがよっぽど良心的と言える。
やたら使い勝手云々を強調する宣伝が目につきますがザックの基本的な機能について触れているメーカーが無い。
※逆に触れてほしくないのであろう。
登山用カメラザックとして販売するにはまず基本的な性能を確保しましょう。
その上で収納面の便利機能は煮詰めればいいのですから。
写真を撮る前にまず山に登れなければ意味が無いです。
まともに担げないザックほど腹立たしいものなどないでっせ。(谷底に叩き落としたいくらい)

かたやNIKON ダイレクトのページにミレーとのコラボザックがあったが、いい線いっていると思う。
(イゾア35のニコン版でアイスメーア35という商品).
通常のザックよりは少なくとも簡略化されていない。
これは元のミレーのザックが優秀であるからこそ成り立つザックである。

小ぶりのザックの割には比較的しっかりしたヒップベルトが装備されており
フレーム構造も大型ザックのようにしっかり真面目に作り込んでいる。
ファスナーが開けにくいとか表示容量に対しての実際の容量が異常に少ないなど細かい至らぬ点はありますが
それらを差し置いてもカメラを入れることの出来る登山用ザックとしては唯一といっていいほど「まとも」
容量の少なさから日帰り使用に限定されるが(小屋泊りも無理じゃないか?)その辺を割り切って使う分には
現時点では無双の市販のカメラザックと言える。

こういったコンセプトのものを45L,60L,80Lなど容量のバリエーションを増やしてもらえれば
飛びつく者は多いと思います。
ただし、ベースとなるザックを厳選し(仮にミレーのザックとしても)、またそれを簡略化するのは絶対にやめてほしい。ザックとしての機能を削いでまで安くしてほしくないため。
ベースのザックは何でもいいというものではなく、しっかり吟味してほしい。
出来の悪いザックがベースだと意味が無いです。
しかし、登山用ザックも近年は大分軽量化を意識しすぎて肝心な機能を削いでしまっているものが多い。
カリマー等の一見古典的とも見える少し重量のあるザックがあるがこれらは徐々にマイナーになっている。
昔は安価なものでもそれなりのごっついベルト類が付いていたのに今では有名メーカーでさえヘロヘロのものに
なっている。
軽いに越したことは無いが削ってはいけない機能があるという事を消費者は理解していないのでは?と思う。
長年作ってきたメーカーは分かっているが消費者が求むのなら、、、、という消極的な理由でそうなっている
ように思える。

似たようなコンセプトで○NFのものが出ているが残念ながら元のザックの出来が正直よろしくないです。
近年の登山用ザックの傾向を見ると装備の軽量化を受けてハーネス類もだんだんと簡略化されてきています。
10年以上の前のモデルと最近のモデルではハーネスの厚さ、剛性がかなり下がっているように見受けられます。
まともなハーネスを装備しているザックメーカーは非常に少なくなったように思います。
軽さだけを追求すると必ずそのしわ寄せが来ます。
それを一般の人が見抜けるかどうか。
決して販売店は言ってくれません。自分で見極めないといけません。

それに応じた軽量化された装備をそろえればいいのですが世の中そんな余裕のある人だけではないでしょうに。
こちとら登山装備は20年前とさほど変わっていませんで。

では、どうやってこれからカメラ機材を担ぐか?
現時点で最高の組み合わは、通常の登山用ザックのサイドに三脚(2kgまで)を差し、レンズ付カメラ本体をザックのショルダーベルトに連結させ固定。
交換レンズはその都度ザックを下してられないためにヒップベルト(ウエストベルト)にポーチを固定。
体の周りにポーチやらカメラやらが付く事はあんまり好きではないが、これが最善の方法に思える。
近日、具体的なポーチ連結方法を公開します。
 ←断念←考察3に続く

追記:〇NF テラフォトも現物を期待を込めて確認しにいきましたが、やっぱり私的にはNG
例にもれずヒップベルトがヘナヘナでとても重量を効率よく支えられると思えない。
   〇ックスのものもついでに見たがお前もか!!!!と。(ヒップベルトへなへなでNG)
機材を入れた重量は通常の登山用具のみの場合でだいたい80Lクラス以上の重量になるのですが
   どれもこれもヘナヘナのヒップベルト。そんな80Lクラスのザックありますか?無いですよ   ね?
   しかし、世に出てくるカメラザックは一様にこのような「ヒップベルトへなへなザック」
   ふと思ったが主なターゲットとなる60代から上はなぜ文句を言わないのかについて、ひょっとすると昔はキスリングが当たり前でバランス、フィット感、荷重分散など微塵も関係ない当時を懐かしんでいるのか???。(←冗談のつもりで書いたけど図星やったら驚愕)
   セロトーレというメーカーがありますがザックの基本機能をこだわって作りこんでいるので
   出来ればこのメーカーにカメラザックを作ってほしいな〜と(希望的観測です。)
   虚飾はないが本当に必要な機能を愚直に作られている真面目なメーカーと思います。
   なければそれをベースに改造してみようかな?とも考えています。

結論としてカメラザックとして最低限必要な条件とは?(ザックの基本的機能に限る)
   ①十分な背面長があること。(日本人の胴長体型と欧米の体型とは違いまっせ。)
   ②背面長が各人にジャストに合わせられるように調整できること。
   ③フレーム長さが十分にあること。(最大背面長より長いことが必須)
   ④ヒップベルトが十二分な厚みと剛性を持っていること。(これは非常に大事)
   ⑤ヒップベルト内のフレームが真ん中で分断されていないこと(縦方向の剛性確保のため)
   ⑥ハーネスの素地素材が滑りにくいものであること(ズレ防止)
   と書いてみたものの、これらは中型〜大型登山用ザックには必須の項目で当たり前のもの。
   書いてみてバカらしいけど普通に登山用ザックを買って改造するほうがよっぽど近道。
   重ねて言いますが「登山で使えるまともなカメラザック」は未だにありません。


→2014年1月24日登山に使える カメラザック?考察 その3 に続く
 http://d.hatena.ne.jp/y-yuji19750709/20140124/1390579232