2017.4.26. チェーンソーについて ゼノアG365

[[]]管理している広大な農園の雑木をなんとかしたいと常々考えていたら
幸運にも日頃世話になっている地主さんにチェーンソーを頂戴した。
かなりの年代物と思われる。
物置の奥に眠っていたものだ。
雑木と言っても大概15〜20cmの幹径
山の手入れは楽しいものだが呑気な事を言ってると生活が干上がってしまう。
如何にこの農園の収穫量を上げ如何に効率よく作業出来る環境にするか。
育ている木々に陰を作り枝を曲がらせる要因となる雑木は何としても排除したい。
長年放置された状態で引き継いだ事もあり1町歩くらいが荒地になっている。
耕作放棄地というレベルどころではなく完全に雑木林と化している。

あと隣接する廃園となっている1町歩ほどの柿畑。
幹径30cm程だけど数が多いのでこれらには荷が重い。
これは別で考えよう‥‥。




[[ゼノアG365]]
年代はよく分かりませんがうん10年前のものと思われる。
金属ボディで頑丈さがみなぎっている。
今時のものは軽量化の為プラスチック然としているがこいつはエンジンかからなくても凶器になるほど金属の塊
なので当然ズッシリと重いです。
鉄アレイがわりに筋トレも出来ます。
段々腹が立ってくるほどの重さです。
薪作りなど一定の場所で使うにはまだいいかもしれませんが急斜面の山中を登って降りてするには気が滅入る重さです。

ともあれエンジンは特に問題無くかかるようでチビッたソーチェーンを換えれば使えるのでは?(25AP-76E)
と一応各部を簡単に清掃してみる事にした。
現役だった頃の木屑がオイルとべっとり各部にこびりついていたの
一応エンジンをかける事は出来る。
どのみち使うのは冬から春にかけてなのでそれまでにじっくり時間をかけて修復してみようと思う。
キャブレター、プラグ、リコイル、ソーチェーン、を交換する予定。
まだ見ていないがオイルポンプが正常なのかどうか。
こいつがダメなら修理しても無駄になるのでまずはこいつのチェックから。
なんせ今まで手鋸オンリーの為にチェーンソーは全くの初めて。
この機種は勿論チェーンブレーキなんぞ付いていないので危険極まりない事は承知している。
いざ使う前はそれなりにレクチャーを受けてからにするつもり

◯いざ分解清掃
何でも分解して構造を見るのが好きな性分でネジがあったらとりあえず外す。
予想はしていたが案の定こってこてに木屑が内部にべっとり

ひたすらクリーナーとブラシとマイナスドライバーで汚れをこそぎ落とす
しかしここまで汚れるか?
カブト虫の幼虫でもいてるのか?ってくらいびっしり。
チェーンソーってものはこの木屑が内部に入り込むのをどうしても防げないようだ。

◯リコイルスターター修復
ハンドルがプラーンと垂れ下がっていたので気になってコイルを見る


やめときゃよかったがプーリーを外すとカバーの凹みにコイルが収まっているがもうすでに遅し。
この状態からはプーリーはもう元の場所には戻らない。
この機種はコイルが本体カバーにじかに収まっている。
別体のハウジングなどは無し。
一旦コイルを取り出しあらかじめプーリーに巻き巻きして手の筋肉がプルプルいいながらカバーに収めなければ
ならなかった。
コイルは外すと勿論ボヨヨーンと解放されえらい事になる。
おまけにこんがらがるし・・・。
昔の階段を降りるコイルのオモチャを思い出した。
あれも一旦こんがらがったら再起不能だった・・・。
丁寧に元に戻しプーリーにクリクリ巻きつける・・・。
後から気づいたが特にコイルの切れも無く問題は無かった。

しかしこの後ロープがちぎれてまたまたコイル地獄に陥るはめになった。
何とかプーリーを外さなくても交換しようとしたが断念。
結局プーリーを外さないとロープを通せないことになり(3mmのホムセ汎用品)それはコイル巻き巻き地獄に落ちる事を意味するのであった。
もう二度と外したくない部分だ。

と思ってたら意外と早くそれはやってきた。
今まで気合と根性で手で巻き巻きしていたが巻き終わる頃には手の指の筋肉は麻痺。

学習するのが人間なので今度は文明の利器を使いました。
24ミリソケットとインパク
スターターの二本の突起が丁度ソケットに合う。
段階的にインパクトで回しながらコイルの端を手で引っ張ればうまく瞬時に巻くことが出来た。
1分かからないほどで出来る。
ただインパクトの手加減をミスるとコイルがえらい勢いで手をビンタしますのでご注意を。

◯オイルタンクと経路を清掃
こいつが厄介で長年放置されていたのでドロッドロのオイルがタンクに入っていた。
まるで水飴状態。
全て抜き取り混合ガソリンを入れてフリフリしてある程度汚れを落とす。
最後はパーツクリーナーで内部を洗浄。
また排出口の穴からクリーナーで出来る限り清掃。
オイルフィルターは今回パス。

◯チェーンバー清掃
チェーン溝は勿論オイル穴の周りを重点的に洗浄。
案の定穴の周りがゴミぎっしり。
薄い剪定鋸の刃でかき出した。
特に変形なども見られず。
こいつはスプロケットは付いていないハードノーズタイプ

◯マフラー清掃
本当はバーナーで焼けばいいのだが手元にバーナーがなかったのでパーツクリーナーをぶっかけハンマーでコンコンこつきまくって中のカーボンを除去
これだけでも結構な量が出た
ボロボロ出て来て取り付けてエンジン吹かせばデッカい塊も飛び出して来た。

◯プラグ交換
チャンピオンのCJ8Yが付いていたので互換性のあるNGK BPM6Aに交換
近所のホームセンターにはNGKしか無いのでしょうがない。
今回は特に交換の必要も無かったが安いものなので一応新品に

◯ひとまず休息

だいぶんこぎれいになった。
エンジンのかかりも問題は無く心配していたオイルもちゃんと出ていた。
吹け上がりも綺麗に回る。
あとはキャブレター 清掃まで出来ればいいのだが・・。
でもキャブレター分解するとなると調整が必要となり全くの素人の手に負えるか?という問題もある。
あとフライホイールを外せばもっと掃除出来るのだが治具を作るまでの価値があるのかどうかまだ不明な為に今回はお預け。
今更気づいたがリコイルの下の本体カバーの四角い通気窓に元々あったスリットがなぜか全部無くなり開けどんどんになっている。
綺麗に切り取られたような感じ。何故???

◯ハンドルのゴムがボロボロに
よくよく見ると経年劣化からかハンドルのゴムがボロボロに割れて剥がれている
握れるが気持ちのいいものでは無い
特にスロットルレバー周りがボロボロ
レバー周りの切れ込みを中心にベロベロになっている。
近く一旦除去して代替えのゴム管にするか現状のまま上からゴム系補修剤を充填して成形するか考える。
多分に補修剤を充填して成形すれば出来そう。

1番恐れていたオイルポンプが正常に動くようになっているのでそれだけでも一安心。
なんせこの機種はもうスペアパーツなんて殆ど入手不可になっているものだからどこまで手を入れるかの目安としていたから。

これで一応は使える状態なのでこれ以上は手を出すのはやめておこう。

◯補足
これを頂戴するまで新品を買う予定だったけど一体どれを選べば良いのかさっぱり分からんかった。
ホムセの3万前後から上は7万コースと幅があり過ぎる。
年間使用時間が多分80時間くらいなのでプロソーまでは必要無いかなと思う。
そら上から見れば安物はおもちゃみたいだろうが要は自分にとってのコストパフォーマンスがどうかだ。
上を見たらきりが無いが1シーズン限りで故障など例え安物でもあり得るのだろうか?
確かに昨年の格安動噴は故障はしたがそれは使い方に問題があったからだ。
それにあった使い方をすれば早々壊れるものでも無いように思う。
趣味じゃ無いのでその選択が合理的かどうかだが‥‥。
よくホムセレベルのものは壊れやすいと言うがそこまで違うものなのか?
壊れやすいというケースには使い方 メンテの方法など正しく行っていないが為の故障も多いと思う。
何でも同じで本来の使い方をされていないのもこのクラス特有だとも思う。
故に故障する。
そらそういう人らにメンテがどうの目立ての重要性がどうの燃料がどうのと言ったところで酷なものである。
逆に言えば本来の使い方をすればそんなすぐに壊れるというものでは無いように思う。
そこそこまでは使えるはず。でないと製品として欠陥品としか考えられない。


最新の技術でG365のような金属の塊のものでブレーキ付きを出してくれたら嬉しい。
新ダイワで同じような物が現行品であるがブレーキが無い。
エアバックの無いクラシックカーのような物。
眺めるだけならいいんだが。
移動の少ない所での使用であればこれもいいかなって思うけど傾斜地をあっちこっち移動しながらの作業ではやっぱり軽いに越したことは無いので頑丈だけども遠慮したくなる。



◯冬場まで待てずにちょいと使ってみた

付いていたソーチェーンはだいぶんちびっていたが目立てをしてみた。
はじめは丸ヤスリだけでやってみたがやっぱりうまくいかない。
下側につけずに刃に当てるのは容易いものでは無いようだ。
鍛錬に時間を費やすよりもヤスリホルダーを買って再度研ぎ直し。
今度はうまくいったようだ。
デプスも調整したので目立つ雑木を切ってやった。
ふむふむなかなかよく切れるではないか。
各部特に問題無く動いているようだ。
調子に乗って売り物の木まで切ってしまうとこだったのでとりあえずは冬場までおあずけ。


◯メタリングダイヤフラム交換

秋になりそろそろ出番だということで畑の周りの雑木から伐採開始
幹径20cmまでだが全部が蔓を巻いておりしかもうだるほどの数。
一本倒すのも隣 またその隣につながっているので一苦労。
何だかんだで1週間フルに使ってるとある日突然エンジンがかからなくなった。
キャブレター周りだろうと思うのでダイヤフラムを見てみると酷い有様
かなり硬化しておりゴムのようなしなやかさは皆無でおまけにキャブに固着して
ベリベリ剥がすもキャブにはカスがいっぱい残った。
クリーナーで清掃してメタリングダイヤフラムの交換。

左が新品 右が付いてたもの。
ホームセンターで購入。
若干形が違うが周りの余分な部分は関係無いので無問題。
ちなみに交換する際はH L のニードルを一旦外す事になるが元の位置をメモしておけば問題無いように思う。
この機械の場合 Hは全閉から一回転Lは一回転半だったので組み付け後も一旦その位置に戻しておいた。
回転計は持ってないのでかなり不安だったが音を聞けばだいたいいけそう。
問題があれば微調整の予定

試運転ではエンジンのかかりも良く息を吹き返した。

あとは燃料フィルターを交換すれば当分いけるはず。

おっと 燃料フィルターもついでに汎用品に交換した時からなんかおかしくなった。
ホムセに売ってるbig mのものだが元々ついてるのはワルボロの大サイズ。
汎用品は一回り以上小さい。
早速試運転
これで快調にいくはずと思ったが逆にエンストするようになったぞ???
ひょっとして中でホースから外れたか?
タンクをのぞいても特に異常無し。???
エアフィルターを外してみると快調に動く。
何??酸欠か?
燃料フィルターが小さきなったので燃料不足なら分かるが酸欠となるとようわからん事になった。
色々とトラブルがつきもんだ。
古い機種と付き合うには色々と忍耐力もいるもんだ。
次から次へと問題が。モグラ叩きのようだ。

原因追求開始
症状
アイドリングは安定せず吹かすとエンスト
ゴミ、チェーン、など特に問題無し
エアフィルターは清浄すみ
原因予測
・燃料フィルターの新旧双方試したがいずれも同じ
→社外品(汎用品)のダイヤフラム交換が怪しい?
→ポンプダイヤフラムは未交換

結局キャブの全バラしで徹底掃除してポンプダイヤフラムも交換するしかない。
結構手詰まりであるが残った要因はここくらいしか考えられない。
一個ずつ考えられる箇所を潰していくしかないな。
✳︎キャブレターのクリーナー洗浄はメガネが必要
キャブレターの穴という穴にクリーナーを吹く際にまともにクリーナーが顔面めがけて飛んでくるし避けたつもりで横向きにすれば今度は違う穴からフェイントで横に飛んでくる。メガネ無しだとビビりながらスプレーしなくてはいけないようだ。
またキャブ内部のパーツは非常に小さいので老眼にはこたえる。

ついでにメタリングダイヤフラムと連動するニードルも磨耗していたので交換。

ダイヤフラム関連は全部交換を終え組み付け後いざ試運転

LHニードルの調整後ほぼ完治した。
今までと違いエンジンのかかりも良く吹け上がりも軽快。
リフレッシュ出来たようで一安心。
当面これでもてばいいのだが‥‥。

チェーンソーは新品買うと35cc前後で最低7万コースなのでおいそれとは今の自分に買えない。
プロ機では無い中間クラスやその下のクラスも中古のプロ機の方がいいように思うが結構後々問題が出てきて部品代もバカにならない。
中古の農機具は割合早くにボディーブローが効いてくる。
買うならなるべく整備性が良く息の長い機種がいい。
シンプルで掃除や部品交換しやすいもの‥。
きこりじゃ無いので早々に買い換えられない。
特にキャブレターのメンテがしやすい構造がいい。
補修パーツが長くあるものがいいね。
こいつは年季物でアホみたいに重いがこれをもうちょっと使い続けるが次はもう替えよう。